人気バンドの紅一点?!～天然美女は溺愛される～

「続いては、今年記録的大ヒットを達成し、レコード大賞新人賞を受賞したARTEMISのみなさんです。それではお聴きください、『闇夜の光』」
司会の女性アナウンサーの声で、セイがドラムをたたいてイントロが流れ始める。
全員が楽器を演奏し、コウがマイクに顔を近づけた。
「なにがあったら　必要としてくれるんだろう　なにもないから　必要とされないんだね」
コウの静かな声をマイクが拾う。
「ふざけたような世界だ　要らない存在がいっぱいの　そんなふざけた世界だ　
だから　救ってれなくてよかったのに」
会場はコウの声に耳を澄ますように静か。
「貴方は光と名乗った　そんな存在　この世にはないのに
この世が怖い　目を瞑ったら　光は言った」
一度、楽器が止まる。
サビの１フレーズは、コウのアカペラだ。
「『目を開けて　君は独りじゃないから　僕を忘れないで　君が望む限りそばにいるよ』」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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