「7」
ついにコウが最後の一枚を出す。
後ろでカードを持っている動作をするコウになにも違和感を持たなかったのか、続いてネイがカードを出した。
その瞬間。
「あーがりっ!」
「え⁉もうカード無いの⁉」
ネイが有り得ないと言わんばかりに叫び、セイはハッとしたように頭を押さえた。
「ユキ~♡」
「コウ・・・」
いかにも褒めてほしそうなコウがキッチンにルンルンで入ってきた。
「僕すごいでしょ?」
「うん、どちらかというとネイとセイが鈍感なのかな?」
「えー・・・ユキは分かったの?」
「もちろん。多分全部気づいてたよ」
「はー・・・さすが。ユキは僕のコトよく見てるね」
どこか嬉しそうなコウが後ろから抱きついてきて、バランスを保ちながら手を止める。
「危ないよ?」
「大丈夫、絶対ユキは傷つけさせないから」
ふふんとコウが言いきり、思わず笑ってしまった。
「ユキも遊ぼ?楽しいよ」
「そうだね・・・もう合流するよ」
最後の一つを準備し終え、コウに腕を引かれながらキッチンを出る。
「ユキ合流~。ダウトやめてテレビゲームしよ。新しいカセットあるから」
「お、ありがとユキ」
「ん、ご飯楽しみ」
2人にお礼を言われ、笑って返しておいた。
「あれ?これ今日発売のやつじゃない?」
「そうだよ」
「朝かって来たのか?いや、でもそんな時間に店やってないし・・・」
「親が昨日手に入れてくれたの」
うわ・・・さすがコウのご両親。
お金持ちだからと言って驕ったりしない良い人たちで、息子の幼馴染の妹である私もよくしてもらってきた。
『これ美味しいよ』とか言ってお菓子もよく貰ったっけな・・・。
デビューしたときも、ライブの後も、まだ未熟なところしかない私を抱きしめて『頑張ってるの、格好良かったよ』って言ってくれる。
まぁ・・・金銭感覚狂ってるところもあるんだけど。
私たちが使ってる楽器も、知らない間にコウの両親が用意してくれたものだ。
一流品で、触り心地もすごくいいし、もちろんキーボードは音もタッチも。
「どんなゲーム?」
「ん-・・・っと」
コウがセイに訊かれて、カセットが入っていたカバーを見た。
「魔法世界で授かった属性魔法で敵を倒してく感じ。火、風、土、水、光、闇の6属性の中から1つ必ず授かって、メンバー全員がパーティを組んでボスを倒していく・・・らしいよ」
ふーん・・・なんか新しジャンルだなぁ。
いつもゲームしないからよく分からないけど。
多分、みんなもそうだと思うんだよね。
ゲームする時間があったら、もっとグループを上げるために練習するから。
「名前どうする?見た目はランダムにするから性別だけ選んでくれればいいけど」
コウに訊かれ、4つにわかれた画面で性別を選択しながら考える。
「どっちにする?本名?ファンからのやつ?メンバーのやつ?」
ちなみに、ファンからのやつが『こっくん』、『ねーくん』、『ユキたん』、『セイくん』。
メンバーのやつが『コウ』、『ネイ』、『ユキ』、『セイ』というもの。
「メンバーのやつでそろえよーよ」
ネイがそう言い、みんなもどれでも良かったのかすぐに頷いた。
私も『ユキ』と登録し、何属性が授けられるのか待つ。
しばらく画面が止まり、ステータスのようなものが現れた。
そこには名前、属性、アバターのようなものが映し出されている。
属性の枠は・・・黄色だから、光属性?
「緑って風なのか?風って色あったっけ」
「細かいコトは気にしないで。俺は・・・青だから水?応用で氷も使えるっぽいね」
「俺は茶色だから土だな」
ネイ、コウ、セイが順番に首を傾げ、その光景の思わず笑ってしまう。
「ユキは?」
「私は光かな。黄色ってセイのメンバーカラーだけど私のメンバーカラーの白無いからなぁ」
「全員メンバーカラーに当たってないから大丈夫だよ。・・・髪は金?一か月前と同じ色だね」
「微妙な期間・・・まぁ、始めよっか。たくさん食べて動けなくなったら困るから・・・いつもみたいに食べたらみんなで走り込みに行くよね?」
「うん、時間も考えるとそろそろやろう」
コウがクイクイとコントローラーを急かすように動かし、みんなも楽しそうに4つに割れたままのテレビ画面を見つめていた。
ついにコウが最後の一枚を出す。
後ろでカードを持っている動作をするコウになにも違和感を持たなかったのか、続いてネイがカードを出した。
その瞬間。
「あーがりっ!」
「え⁉もうカード無いの⁉」
ネイが有り得ないと言わんばかりに叫び、セイはハッとしたように頭を押さえた。
「ユキ~♡」
「コウ・・・」
いかにも褒めてほしそうなコウがキッチンにルンルンで入ってきた。
「僕すごいでしょ?」
「うん、どちらかというとネイとセイが鈍感なのかな?」
「えー・・・ユキは分かったの?」
「もちろん。多分全部気づいてたよ」
「はー・・・さすが。ユキは僕のコトよく見てるね」
どこか嬉しそうなコウが後ろから抱きついてきて、バランスを保ちながら手を止める。
「危ないよ?」
「大丈夫、絶対ユキは傷つけさせないから」
ふふんとコウが言いきり、思わず笑ってしまった。
「ユキも遊ぼ?楽しいよ」
「そうだね・・・もう合流するよ」
最後の一つを準備し終え、コウに腕を引かれながらキッチンを出る。
「ユキ合流~。ダウトやめてテレビゲームしよ。新しいカセットあるから」
「お、ありがとユキ」
「ん、ご飯楽しみ」
2人にお礼を言われ、笑って返しておいた。
「あれ?これ今日発売のやつじゃない?」
「そうだよ」
「朝かって来たのか?いや、でもそんな時間に店やってないし・・・」
「親が昨日手に入れてくれたの」
うわ・・・さすがコウのご両親。
お金持ちだからと言って驕ったりしない良い人たちで、息子の幼馴染の妹である私もよくしてもらってきた。
『これ美味しいよ』とか言ってお菓子もよく貰ったっけな・・・。
デビューしたときも、ライブの後も、まだ未熟なところしかない私を抱きしめて『頑張ってるの、格好良かったよ』って言ってくれる。
まぁ・・・金銭感覚狂ってるところもあるんだけど。
私たちが使ってる楽器も、知らない間にコウの両親が用意してくれたものだ。
一流品で、触り心地もすごくいいし、もちろんキーボードは音もタッチも。
「どんなゲーム?」
「ん-・・・っと」
コウがセイに訊かれて、カセットが入っていたカバーを見た。
「魔法世界で授かった属性魔法で敵を倒してく感じ。火、風、土、水、光、闇の6属性の中から1つ必ず授かって、メンバー全員がパーティを組んでボスを倒していく・・・らしいよ」
ふーん・・・なんか新しジャンルだなぁ。
いつもゲームしないからよく分からないけど。
多分、みんなもそうだと思うんだよね。
ゲームする時間があったら、もっとグループを上げるために練習するから。
「名前どうする?見た目はランダムにするから性別だけ選んでくれればいいけど」
コウに訊かれ、4つにわかれた画面で性別を選択しながら考える。
「どっちにする?本名?ファンからのやつ?メンバーのやつ?」
ちなみに、ファンからのやつが『こっくん』、『ねーくん』、『ユキたん』、『セイくん』。
メンバーのやつが『コウ』、『ネイ』、『ユキ』、『セイ』というもの。
「メンバーのやつでそろえよーよ」
ネイがそう言い、みんなもどれでも良かったのかすぐに頷いた。
私も『ユキ』と登録し、何属性が授けられるのか待つ。
しばらく画面が止まり、ステータスのようなものが現れた。
そこには名前、属性、アバターのようなものが映し出されている。
属性の枠は・・・黄色だから、光属性?
「緑って風なのか?風って色あったっけ」
「細かいコトは気にしないで。俺は・・・青だから水?応用で氷も使えるっぽいね」
「俺は茶色だから土だな」
ネイ、コウ、セイが順番に首を傾げ、その光景の思わず笑ってしまう。
「ユキは?」
「私は光かな。黄色ってセイのメンバーカラーだけど私のメンバーカラーの白無いからなぁ」
「全員メンバーカラーに当たってないから大丈夫だよ。・・・髪は金?一か月前と同じ色だね」
「微妙な期間・・・まぁ、始めよっか。たくさん食べて動けなくなったら困るから・・・いつもみたいに食べたらみんなで走り込みに行くよね?」
「うん、時間も考えるとそろそろやろう」
コウがクイクイとコントローラーを急かすように動かし、みんなも楽しそうに4つに割れたままのテレビ画面を見つめていた。



