青波学園は、中等部・高等部に分かれていて、高校から入学することも、中学から入学することも可能だ。
私は、高校から入学したけど。
そのふたつの校舎の渡り廊下に連れてこられた。
ふたつの校舎を行き来する人なんて滅多にいないからここは人通りが少ない。
そんな人通りの少ないところに連れてくるってところは、なんか重要な話なのかな?
ちょっぴり緊張しつつ、秋聖くんの言葉を待つ。
秋聖くんは少し言いづらそうに重々しく口を開いた。
「あのさ・・・恋春って妃奈乃と友達じゃん?」
私は黙って頷く。
すると、秋聖くんは暫く言いよどんでから決意したように口を開いた。
「妃奈乃と・・・友達、やめてくれない?」
「え・・・?」
何を言われたのか分からなくて、私は目を瞬かせ、それから秋聖くんに言われた言葉を頭の中で繰り返す。
「え・・・?なんで?」
ちょっと気まずくなっちゃってもそれはそれ。妃奈乃は私の大切な親友で、幼なじみだ。だから他人からそんなことを言われても、理解がちっとも追いつかない。
思わずたずねると、秋聖くんはさっきと同じように言い淀む。
「だって・・・・おれ、恋春が好きだから。」
「・・・っ!?」
声にもならない驚きが身に襲いかかる。
「おれ、恋春と一緒にいたいんだ。だから、今日も昼休みに行ったんだ。だけど、妃奈乃に絡まれた。妃奈乃は、自分のことをおれが好きって勘違いしてるっぽいけど、おれは、妃奈乃より恋春に興味があるんだ。」
「ご・・・・ごめんなさい!」
私はそう言って、秋聖くんに背を向けて、教室を目指した。けど・・・
びっくりするくらい強く、秋聖くんに腕を掴まれた。
「やめて・・・っ!」必死で腕を離してもらおうとするけれど、秋聖くんには敵わない。
「ちょ、最後まで話聞いて。おねがい、話聞くだけでいい。」
その真剣な声音に、私は観念して仕方なくその場で足を止める。
「・・・おれが恋春に会いにいこうとすると、必ず妃奈乃がついてくる。でも、妃奈乃と友達を辞めてくれたら、妃奈乃は恋春に会うためにもって言って、ついてくることはない。だから、つまり、恋春が妃奈乃と友達をやめてくれたらおれはあのうっとうしい感じから解放されるってわけ。」
そんな、嘘でしょ?
私は、高校から入学したけど。
そのふたつの校舎の渡り廊下に連れてこられた。
ふたつの校舎を行き来する人なんて滅多にいないからここは人通りが少ない。
そんな人通りの少ないところに連れてくるってところは、なんか重要な話なのかな?
ちょっぴり緊張しつつ、秋聖くんの言葉を待つ。
秋聖くんは少し言いづらそうに重々しく口を開いた。
「あのさ・・・恋春って妃奈乃と友達じゃん?」
私は黙って頷く。
すると、秋聖くんは暫く言いよどんでから決意したように口を開いた。
「妃奈乃と・・・友達、やめてくれない?」
「え・・・?」
何を言われたのか分からなくて、私は目を瞬かせ、それから秋聖くんに言われた言葉を頭の中で繰り返す。
「え・・・?なんで?」
ちょっと気まずくなっちゃってもそれはそれ。妃奈乃は私の大切な親友で、幼なじみだ。だから他人からそんなことを言われても、理解がちっとも追いつかない。
思わずたずねると、秋聖くんはさっきと同じように言い淀む。
「だって・・・・おれ、恋春が好きだから。」
「・・・っ!?」
声にもならない驚きが身に襲いかかる。
「おれ、恋春と一緒にいたいんだ。だから、今日も昼休みに行ったんだ。だけど、妃奈乃に絡まれた。妃奈乃は、自分のことをおれが好きって勘違いしてるっぽいけど、おれは、妃奈乃より恋春に興味があるんだ。」
「ご・・・・ごめんなさい!」
私はそう言って、秋聖くんに背を向けて、教室を目指した。けど・・・
びっくりするくらい強く、秋聖くんに腕を掴まれた。
「やめて・・・っ!」必死で腕を離してもらおうとするけれど、秋聖くんには敵わない。
「ちょ、最後まで話聞いて。おねがい、話聞くだけでいい。」
その真剣な声音に、私は観念して仕方なくその場で足を止める。
「・・・おれが恋春に会いにいこうとすると、必ず妃奈乃がついてくる。でも、妃奈乃と友達を辞めてくれたら、妃奈乃は恋春に会うためにもって言って、ついてくることはない。だから、つまり、恋春が妃奈乃と友達をやめてくれたらおれはあのうっとうしい感じから解放されるってわけ。」
そんな、嘘でしょ?

