「ふぅ〜、せっかく部活が無い日なのに模擬店決めるとかめんどくさいよね。秋聖がひとりで決めればいいのに。」
「そうだね。」私は頷く。
妃奈乃は、普通に前と同じ接し方をしてくれてるけど、秋聖くんが自分じゃなくて恋春が好きって知ってショックだったと思う。
それって、失恋ってことだもん。私だったら耐えきれない。
妃奈乃が普通に接してくれるから私もあの話はしないし、したくない。
雰囲気を崩すのは嫌だし、妃奈乃は大切なんだなって気づいたからもっと友達として、優しく仲良くしたいし、関係も深めたい。

やっと話し合いが終わり、模擬店は私の提案通り、フルーツジュースの模擬店をやることにした。
何をやるかはっきりしたら、少し楽しみになってきた。
まだ、青波学園の文化祭に参加したことがないし。
高校の志望校を決める時、一度文化祭に行ったことがあるんだけど、参加するのは初めて。
「恋春。」
妃奈乃とおしゃべりしながら帰ろうとしていたら、ふいに話しかけられた。
見ると、そこには涼しい顔をした秋聖くんが。
「話したいことがあるんだけど。ちょっときて。」
え・・・?でも妃奈乃を待たせたくないし、早く帰りたい。
「え・・でも私時間ないから・・・」
断ろうとしたら遮られた。
「大事な話なの。それにすぐに終わるから。」
じっと見つめられて、私はもうリタイアだ。仕方なくついていった。
つれてこられたのは、誰もいない部室の端っこだった。「何?話は手短にね。」
早く帰りたいという意味を込めて、私はややいらだちのふくんだこえで秋聖くんに言う。
「わかったよ。・・・そんで告白の話。恋春、受け入れてくれた?」
そのひとみは、受け入れろというような圧を感じた。
「あの・・・お断りさせてください。私、妃奈乃と友達をやめてって言われた時、自分の恋のために人の友情関係を壊す人なんだって思ったの。そんな人とは付き合いたくないし、それに、好きな人を悲しませるなんておかしいでしょ?そんな人と付き合っても何の楽しさもないと思う。」
これまで、じっくり考え抜いた答えを確実に一言一言伝える。
「え・・・?でも恋春。・・・恋春、おれのこと好きだったよね?」
すがるような目で言われる。
「え・・・?」なんでそれを知ってるの?
「おれが気付いてないとでも思った?ずっと気付いてたよ。」
にっこり優しく微笑む秋聖くん。
それになんだかふいに、きゅんとしてしまって・・・・
私は急いでポカポカと心の中で自分の頭を叩いた。
私、フったのに今更何よ?
そういうふうに、さらりと言えればよかったんだと思う。だけど、私の口からは声にならない吐息が漏れるだけで・・・
その真剣な眼差しに、何も言えなくなってしまった。
「だから、おれも恋春がずっと好きだったよ。妃奈乃の紹介の手前、気まずいかなって思ったけど・・・改めていうね。
おれと、付き合ってください。」