わけありくんを護ります

すると、ピコンッと音がして、すぐにまた携帯を見れば、


"もうすぐ実家に着きます"

"俺がいないとどうでしょう?"

"さびしい、とか?なんて。へへ……"


何よ最後の。さびしいとかって。
全然思ってないし。むしろ本当は依頼がなければこの空間が当たり前のはずなんだから。

「了解……全くさびしくない、っと」

送信したらすぐ、うるうるとしたメガネスタンプが送られてきた。

「なにこれっ」

すごく比江島に似てるから、ついおかしくて笑っちゃう。
よく見つけたな、なんて。

帰りにまた連絡して、と送り、私はベッドに寝転んだ。

「……静か」

いつも何かしら話しかけてくる声がないからね。
視線を天井から線の向こうにあるベッドへと移す。

「意外とずぼらね」

机の上はノートや教科書が散らかって、布団は起きた時のまんまだ。


いつのまにか線をはさんだやり取りが当たり前になってたから、いないといないで変な感じ……