「そ、それは面目ないです……でも、しっかり寮の前から家に、帰りもちゃんと同じ方に送ってもらいますから。それに、凛さんもたまには1人の時間が必要でしょう」
1人の時間、ね。
「……ふうん、ならそのタクシーの会社と運転手、名前、車の番号を確認するから」
すでに着替えている比江島くんだけど、私は寝起きスタイルにカーディガンを羽織るだけにした。
「え、凛さん、俺のお見送りしてくれるんですか!?」
「は!?……ばかじゃないの。確認って言ったでしょ!」
「そ、そうですよね」
嬉しそうにしたり落ち込んでみたり、すぐコロコロ変わるんだから。



