「比江島」
──え。
「え……え?俺?……俺!?」
松野くんは前のめりになって、座る比江島くんをにらみつける。
攻撃に非常に弱い比江島くんは、真っ青。
「眼鏡を外したら実は童顔、とかじゃねぇのか……あ?」
比江島くんの眼鏡に手をのばす松野くん。
だけど、比江島くんは眼鏡をおさえた。
「む、無理ですよ!眼鏡ないと見えないのに外してケンカするとか……そもそも!この見た目で俺が強いと感じますか!?」
「全然しねぇ」
「でしょう!?自分で言うのもなんですけど、強瀾で一番最弱は俺だと、胸を張って言えます!」
胸に手を当ててなぜか熱く語ってるけど……
「は?自分がくそ弱ぇとか、んなこと胸張って言うことじゃねぇよ。バカが」
松野くんはため息をつきながら座った。
「結局のとこ、フードの正体は分からずじまいってことだな」
「それじゃあ……よぉーし!今度こそ、おせちターイム!召し上がれっ」



