わけありくんを護ります


「あ!でも昨日の乱闘中に突っ走ってった子はフードだったよ!ね!」

「あー……そういや見たわ、誰だったんだろうな。うちにあんなやついたら、ここにいるはずだろ?」

「そういえば……乱闘を見かけた通りすがり、とかかな?」

「通りすがりで、ぼくらの味方したってこと?」

「分からないけど……」

「ま、うちのやつじゃねぇことは確かだな。もしかしたら、そいつがお前のことを助けたやつかもしれねぇな。男にしちゃ小柄だったけどよ」

小柄……体格差は隠せないから仕方ない。

「そうかもね。ありがと」

「べ、別に礼を言われることはしてねぇし!」

また赤くなった……

ま、私でしたとか言えないけど、ばれてないようで安心安心。

「……でも帰りに、かまいたちの誰かが、フードの子のことを可愛い顔してたような、みたいな会話してたの聞いたよね?」

竹森くんが思い出したように言えば、松野くんも梅木くんも、はっとして頷いた。

「ぼくも聞いたそれ」

「可愛い顔で強いってよ……強瀾では……いや待て、もしかしてお前か?」

松野くんがテーブルから身をのりだし、私たちに近づいた。