わけありくんを護ります






寮に着いた矢先、私は荷物を比江島くんに預けた。

「寮からは出ないで過ごしてて。ちょっと用事あるの」
「え?分かりました。あ、でも鞄……」
「置くときは別に線こえていいから」
「はいっ」

「それじゃあ、すぐ戻るけどよろしく」

お気をつけて、と比江島くんと受付の喜八さんに見送られ、私は小走りに学校へと戻った──



フェンスからグラウンドをのぞけば、かまいたちの子達が横たわったまま……数人は起きたりしてるけど。

──総長さんはとトップの人はいない。仲間全員置いて行ったのね。薄情者だ。


「……竹森くんたちは」

いた。昇降口前に、座ってる。

最後までやりきったみたい。怪我はしてるけど、会話して笑う余裕があるなら何より。