わけありくんを護ります


おとしまえって、

完全に濡れ衣なんですけど。
って言いたいところだけど、どうしたものか……
たとえ私が仕方なく認めたとしても、そうでなくとも、

ヤンキー達の態度が好転することはない。

だとしたら──

私はバッグの肩ヒモを強く握り締め、軽く後ろに片足を引き、

──今だっ……!

頭を下げるフリをして、来た道を戻るように走りだした。


「おいこら!待てや!」
「ふざけんなよ!!」


──やっぱ追ってくるよね……


後ろからの足音に焦りを感じながらも、どうにか4人を撒くために通っていない道を抜けて、細い路地へと入った。