「早くあいつをつぶせ!」
「これ以上行かせんな!」
私の勢いが、かまいたちの面々の注目を集めていき、息つく間もなかった3人には、わずかでも回復の時間をかせげているはず。
いっきに私の前に、総長さんのもとへは行かせない──とかまいたちの子達が自然に集まってくる。
だけど私が進んでいるのはムダのない一直線の道。
どれだけ集まって来ても、通行の邪魔はさせないよ。
「……どけ」
さすがにスピードをゆるめるも、フェイクをかけてかわしたり、最小限の動きで距離をつめていく。
「ふざけんな!っのわ!?」
真ん前からなぐりこんできた子をかわし、首根っこをつかみ前へ放る。
当然周りに集まっていた子も巻き添えになったり、よけたりしてくれるわけで。
私が進みたい道が開かれる。
そして3人も怪我をおいながらも周りを倒してくれているから、私は今の手順をくりかえしながら進んだ。
──そして、総長さんのところに着いた時には、警戒して私の近くには誰も寄ってこなくなっていた。



