わけありくんを護ります


「……比江島くん」

「はいっ」

「私の荷物取ってきてもらえる?後、購買で飲み物も。お金は後で渡すから」

乱闘から目をはなすことなく、比江島くんに伝えると、嬉しそうな声が返ってきた。

「帰るってことですね!」

「……そう。私は、かまいたちの子が校舎に入らないか見張ってるからさ」

「分かりました。じゃあ早速行ってきます!」

「転ぶとあぶないから、ゆっくりでいいからね」

「あはは、そうします」

……はなれていく足音に、私は立ち上がり、昇降口のはしにある棚に手を伸ばす。


「いいもの見っけた──」