「……凛さんっ」
「何で来たの」
地味に近付いてくる、後ろからした足音には気づいてたけど。
「気になって……つい」
怖がりなのに。
「今どうなってるんですか?」
「まああれよ、もうすぐではじまりそうな流れなの」
「……はじまりそうって何がです?」
「じゃあ、口ふさいで」
振り向いて比江島くんにそう言えば、素直に口をおさえた。
「乱闘」
『……んぇ!!』と驚く比江島くん。
こんなとこで、えーっ!?とか大声で言われたら、あっちの皆さんに聞こえちゃうからね。良かった。
「ら、乱闘って、でもうちは3人しか……」
「うん、だから見てるの。どれくらい出来るのかなって」
「いやいや!むぼうでしょう!?ムリだってこんな人数……」
だからって、なんで君が頭かかえるのよ。



