「こんな大人数連れてなんのようだてめぇら」
松野くんが相手の大将と思われる人に言えば、私がさっきみたぼろぼろの男の子を大将の横の子が放った。
「……っ」
痛みに顔がゆがむのが見える。
「ちょっと優等生の子掴まえて話してただけなのに、コイツがやめろ!とか言って、オレらに手ぇ出してきたんだぜ?」
チャラン、と大将のカマ型のピアスが揺れる。
「ち、がうっ……」
苦しそうな声で、男の子が反論するも、しゃべるのがキツいのかそれ以上は聞こえなかった。
「そうか、それは申し訳なかったね。でもこんな殴る必要はなかったんじゃない?」
竹森くんがその男の子をかつぎ、自分たちの後ろに横たわらせる。
「てか、今のお話うそくさーい。ね、マツくん?バンチャン?」
「だな」
「そうだね」
「しかもー、そんだけ連れて来ないと、こわくてこわくて強瀾には来れない的なかんじっ?」
袖を口もとにあて、なかなかにいい挑発していく梅木くんの言葉にかまいたちの面々から汚い言葉が上がる。



