わけありくんを護ります


走って生徒会にいったけど、予想通り誰もいなくて。次にいくなら、もう候補は1個しかない。

ほとんどの生徒が帰った静かな廊下を抜け、昇降口に走った。すると──

生徒会の3人が、並んで大人数と向かい合っている背中が見えて……

しめたっ!

ローファーをはいてドアの後ろからのぞきこむ。
ん、あれは──安全ノートに記されていた、強瀾以外に強いとされる──【かまいたち】。


──夜、部屋で比江島くんとこの話したことがあった。

『ずいぶん荒れてる学校がこの辺はあるって話だけど、強瀾とめぼしいのはこの2つだけなの?』
『はい、1つは皆耳に三日月型のピアスをしているのが、【かまいたち】です』
『かまいたち……ってこれ三日月じゃなくて、カマじゃないの?名前からして』
『はっ、確かに……』



──そのかまいたちと強瀾の間に何が起こったんだろ。