ギリギリセーフなはず……というか余裕でセーフ。当たった感触は全くなかった。
だけどそう言ったところで、こういう人があっさり認めるとは思えない。
今日は私の大事な初日。
穏便に事済ませるために、ここは下手に出るしかないか……
「ごめんなさ──」
「おーいなにやってんのぉ」
「なにその子」
「おー意外と可愛いじゃーん?」
頭を下げようとした時、後ろから3人の声が。
中途半端な頭の角度で振り向けば、このヤンキーと同じような見た目。
「おー、今さぁこの子がオレにぶつかってきてさぁ、ちょー痛いの」
「えーまじで?」
「かっわいそー」
「どんまい女のコっ」
私のことをじろじろ見ながら通りすぎ、腕の辺りを擦り、難癖をつけてくるヤンキーを3人が囲むと、難癖ヤンキーは私を見据えた。
「どう、おとしまえつけてくれんの?」



