わけありくんを護ります


外から聞こえた声に、私と比江島くんは目を合わせ、比江島くんはその場にしゃがみこんだ。

「ま、まさか俺が見つからないから、もう学校に来てボコボコにする気じゃ!?」

初めて私のところに来た時みたく、鞄を抱きしめている。

「それはないお思うけど……お」

窓の外を見ると、それはそれは大人数。

「なんですか!?やっぱりそうなんですか!?」

「いや?ノートで見た比江島くんを追う子達の格好ではない、けど」

「けど……?」

「ただ乗り込んできた、って感じではなさそうかな」

グラウンドの半分は埋まりそうなくらいの人数──その一番前の1人が、うちの生徒をかついでる。しかもぼろぼろのね。

「これはいいチャンスかも」

「チャンス!?」

「ちょっと生徒会室行ってくるからここにいて」

「えっ、ちょ……凛さん!?」