「──ぷはぁ……!!やっとちゃんと息できたっ」
出た途端に、何度も呼吸をくり返す比江島くん。
中に入ってからというもの、一言もしゃべってなかったもんね。
「凛さん、なんであんな平然と話せるんですか……俺は寿命ちぢまりましたよ」
「当たり前でしょ?私の方が強いもの」
「……かっこいい。うらやましいかぎりです。でも情報らしいものは得られませんでしたよね?」
「そう?私は得られたけど」
現総長はいれど、常に不在ってこと。
生で3人の名前と顔を確認出来たのも良かった。
またの機会もつくれたし、会うたびに何か聞けば、ちゃんと情報も集まると思うし。
でも強いて言うなら、早々に3人とその総長さんの強さをこの目で見たいな。
「……凛さん?なんか楽しそうですね?」
「まあね。ほら早く戻らないと授業、始まっちゃうよ」
「あ、はい!」
この願いがひとつ、
すぐに叶うとは思ってなかった。



