伸ばされた手を、まじまじと見つめては私を見上げ、比江島くんも立ち上がり私の手を両手で強く握った。 「あり、ありがとうございます!依頼して良かった」 ……微笑む余裕が出てきたのね。 「てことで、明日からどうするかは考えてまとめておくから待っ──」 「これで俺、寮でも芝桜さんと仲良くやっていけそうです!」 「あ、ウン、ソウダネ」 私の話、急に聞かなくなったんだけど。 「ってことで、俺荷物とってきます」 「荷物?」