わけありくんを護ります

「そ、それは……うちの学校の強い方たちの会話をぬすみ聞きしたりしまして……」
「ぬすみ聞き、ねぇ」

なんかあやしいなぁ。

「し、信じてください!怖いとは思っても、自分なりに頑張ってみたんです。……だから今日、芝桜さんが来るまでなんとか生き延びれましたし」

……生き延びれた、か。

あやしさ半分ってとこだけど、父が依頼を認め、父直々に私へ寄越した手紙がある。

正直、あまり危険な内容を私にふることは今までなかった。
少し危ないことには補佐として入ったり、見学させられたり……

まあ、同じ学生。
大人より、私がそばにいた方がごく自然。
その理由も含まれてのことだろう。

だとしたら──


「……分かった。分かりました」
「え……」

ベッドからゆっくりと立ち上がり、私は比江島くんに手を伸ばした。


「この依頼、芝桜凛がお引き受け致します」