咳ばらいをひとつして、ブレザーの胸ポケットに手紙をしまい、私は本題に入った。
「比江島くん……君が直接うちに依頼をしたの?」
「そ、そうです。有名な会社だと調べた時に書いてあって……それで、です」
「自分にボディーガードをつけたいって思うくらいの、何があって、何から守って欲しいの?」
依頼主なんだ、そこを聞かないと動きようがない。
「えっと……2週間前、たまたまよその不良同士の会話場面に出くわして……とは言っても実際はなんの話も聞いてないんですけど」
「それで?」
「……多分、それなりの重要な話だったのか、俺が聞いていたと勘違いされて、探されてる感じなんです」
「ふーん、なるほ──」
「間違いなく、ボコボコにしてやるよ!的な意味合いですよね!?」



