わけありくんを護ります



「初めまして、今日からお世話になります。芝桜凛と申します」

「おぉおぉ、こりゃめんこい子だねぇ。おれは寮長の、長谷川喜八(はせがわきはち)だ。ヨロシクな」

「はい、よろしくお願いします」

「女子が寮に来たのははじめてだけど、セキュリティはバッチリ、変な(やから)はいれねぇから安心しな」

「ありがとうございます」

「んで野郎共とはフロアが違う3階の、301号室が凛ちゃんの部屋な。荷物は中に運んであっからゆっくり片付けてな」


ほれ、と鍵を渡され両手で受け取る。


「そこに階段とエレベーターあっからな」

「ありがとうございます」


一礼して、私はエレベーターに乗って3階へ。


寮長さんの、語尾の『な』は癖なのか気になる……けどいい人そう。