わけありくんを護ります




「……お、気付いた?さすが俺のボディガードっ。まぁ、学ランを利用するってのは、凛が俺を護ってくれた時の真似みたいなもんだけどね」



私の、真似──


ヨイヤミのバットくんの時、私がフェイクで学ランを使ったあの時の……。


「あー……でも、もうちょい堪能したかったな」

「喧嘩なら十分堪能させたはずよ。もしまだ不完全燃焼なら付き合うけど?」

「凛とのけ、喧嘩は十分です……」

「ならなによ」

「え?キス。……んがっ!?」


平気な顔してさらっと言うから、どついてやった。

コロン、と倒れた比江島くん。


その間に立ち上がって制服を整えれば、見届けていた三人がやってきた。



「……すごかった、なんて一言で済ませちゃいけないんだけど、心の底からすごいもの見たなって思うよ」

「りんりんも、島くんもヤバすぎ……」

「認めたかねぇけど、認めざるを得ねぇ」


「おう、ありがと!」



圧倒されている三人に対し、寝転がったままの比江島くんは呑気に笑う。


「あーりんりんに怪我なくて良かったぁ。総長途中から大マジ過ぎてぼくの心臓ヤバかったよぉ!」

「あ!!梅木禁止!」


私に伸ばしかけた両手を足で遮る比江島くん。