「……やってやんよ。その煽りに乗っかって勝負してやる。後で吠え面かかせてやるよ」
松野くんはそう言って生徒会室を出て行った。
「……わぁ、ぼくこわーい!りんりんー!」
私のもとへ走って来て後ろからハグ状態。
だけど彼氏仮気付かず。
だから私も梅木くんをよしよしと撫でれば、竹森くんの必死の気付いてアピールによって顔を上げる比江島くん。
「え、ちょ梅木!近い離れ──」
「やーだー!りんりんはぼくの」
「違います!俺の……だし!完全な彼氏ではなくとも彼氏仮の立場なんで!ていうか凛もなに撫でてんの!甘やかしちゃダメだろっ」
「……ふん」
気付かないのがわるいのよ。
「ふんって……」
梅木くんを剥がしながら、比江島くんは眉間にシワを寄せる。
「ま、まあまあ……とりあえず、凛ちゃんと闘う日を決めない?ぶっちゃけ俺たちも気になるから」
「えー……凛、本当にやるの?」
「やるよ?私は全力全開で行くから」
「それがりんりんっ!ぼく応援してる!」
「いや俺が勝たないといけないんだけど……ん?でも手抜いたらダメ。松野たちとして負けてもダメ。他の誰かが勝ったら凛持ってかれる?松野と梅木はすでに凛パパに認められた実力……多分竹森も力は十分だから……最悪な状況じゃない!?」
今更……。



