本日一番の赤さで回れ右をした松野くん。

ぶっきらぼうに『じゃあな!』と言って帰っていく。


その姿に竹森くんは笑いながら、私たちに手を振り松野くんを追う。


「……で?梅木はどうするの?」

「え?ああ、今は乱闘しないよーん。お腹死にそうな総長倒しても自慢にならないもんっ!」


だぼだぼの袖を腰に当て、梅木くんは首を振った。


「ってことで、りんりんも総長もまたね!」


ひらひらと手を振って、猛ダッシュしながら梅木くんは帰って行く。

遠くなっていく三人を見ながら、隣りにいる比江島くんは眼鏡を外し、楽しそうな顔をしていた。