──結果、1時間と持たない胃袋。
なのに……ひとりだけ例外が。
「比江島くん……一応聞くけど大丈夫なの?」
一番最初にリタイアした竹森くんは、微動だにしなくなり、松野くんは一口が相当小さいものに。
私ももう何も入らないって感じなのに、比江島くんだけ食べ続けてる状況に、疑問しか浮かばない。
なんでこんな食べられてるのか、弱々しい比江島柚希くんの時もこんな感じだった。でもそれは胃のことを何も気にしないで食べていたから。
だけど今はこのお重の意味を知ってるし、梅木くんの無限食べて食べてコールも知ってるはず。……なのに。
「あ、これもうまいね」
「でしょー!はいじゃんじゃん」
わんこそばを食べるかのような言い回しで、すすめられるままの──総長、比江島柚希。



