「プリーズ眼鏡!」
「あ、ブン!」
ぱっと比江島くんを離し、眼鏡を取り返しに行く松野くんだけど、そーうちゃく!と言って梅木くんは比江島くんの眼鏡をつける。
「伊達眼鏡だぁ!どう?似合う?頭良さそうに見える!?」
「バカは眼鏡してもかしこくならねぇよ。あきらめろ、ブン」
「ひどい!今のひど──」
ボコスカ松野くんを叩き始めた梅木くんだったけど、私たちの後ろを見て急に大人しくなるものだから、不思議と私たちも後ろを見ると……
「……バンっ」
入口からちょっとだけ顔をのぞかせる竹森くんがいて。
「……ご、ごめん。やっぱり帰るよ」
「ちょい待って」
去ろうとする竹森くんを比江島くんが止めた。



