ノックをして自ら入っていけば……


「ようこそりんりん!お疲れぱーてぃーへー!いぇーい!」

中は風船やら折り紙でカラフルに飾られ、ダボダボの袖をぶんぶん回し、はしゃぐ梅木くん。
と、案の定座って胸をさする松野くんがいた。すでに胸焼けしている様子で。

「お、おぅ……芝桜……と」

私の後ろにいる旧比江島くんを視界にとらえた松野くんの顔が急に変わり、閃光のごとく比江島くんのもとへやって来た。

「やぁ松野く……あら?」

比江島くんは笑顔で挨拶しかけるも、松野くんに胸ぐらを掴まれる。

「眼鏡とかして弱っちぃフリしてんじゃねぇよ……こちとらもうお前のことわかってんだからよ……なぁ、総長さまぁ?」

比江島くん、すごいにらまれてる……
だから素でくれば良かったのに。言わんこっちゃない。

「いやぁ……一応この姿の方がなじみがあると思ったり思わなかったり……」
「あるけど、その姿の方が腹立つんだよ」
「り、理不尽では?」 

「うるせぇ。どーせ見えんだから取りやがれ!」
「あっ」

松野くんが眼鏡を取り上げ、その眼鏡に梅木くんが目をつけた。