わけありくんを護ります



そこからもまた、ひたすら倒しまくり──ボコスカしよう、それに頷いたわりに……

「はぁ……」
「あとちょいなのにっ」

私と梅木くん、そして──
竹森くんとの決着がついたぼろぼろの松野くんが合流したものの、
時間が経つにつれ、強瀾側の劣勢が目に見えて分かるようになってきた。

「……邪魔だオラァ!」

松野くんが今1人倒したところで──
ヨイヤミはあの2人だけしかいなくなった。

「いやぁすごいね。結構自慢の子達なんだけど……やられちゃった」
「少し侮っていましたね」

鶴谷と亀井は、数歩こちらに歩きにこりと笑う。

「ははっ、大本命がステージからおりやがった……」

──まずい。
松野くんが、肩で息してる。竹森くん相手にしたんだ、無理もないことだけど……

「ブン、お前は芝桜と亀井をやれ。俺はコイツとやるっ」
「でも……う、うん」

梅木くんも分かってるんだ。松野くんだけでは厳しいと。
だから私は、梅木くんに目配せをした。

こっちは私だけでいいから、松野くんの方に行って、と。
梅木くんは驚いてたけど、頷いてくれた。

その方が、勝算はあるはずだから──


「じゃ、決着つけよっか。強瀾の皆さん」