わけありくんを護ります








「私が帰ってくるまで、絶対に外に出ないで。鍵閉めて待ってて。いい?」

日曜日だというのに制服を身につけ、ローファーを履く。

「やっぱり……ヨイヤミに自分たちから行くなんて、ワナにはまりに行くようなものじゃっ……」

そうね。そうだと思う。

「……じゃあ、やっぱりやめる」
「えっ」

「って言ったら、比江島くんはずっとびくびくしたままになるんだよ?依頼だって、延々と長引かせるわけにも行かないんだから」

それに、と私は続ける。

「言ったでしょ。……君のことはちゃんと護るって。事が解決した時に、私が担当で良かったって思わせてあげるって」


……きっと、今振り向けば、君は驚いた顔をしてるんでしょ。言われたってことを思い出してさ。