3人を順に見て、お願い──と念を送れば、
「ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!ヨイヤミはかまいたちとはちげぇ!前に話したろ!」
松野くんが立ち上がり私の胸ぐらをつかんだ。
「マツ!」
「マツくん!」
すぐに竹森くんと梅木くんも立ち上がって止めに入ろうとしてくれたのを、私は手で制す。
「別にふざけてないよ。私は比江島くんが平和に過ごせるようにしたいの。1日もはやく。ヨイヤミがどんなに強くても」
松野くんの目をまっすぐ見据え、揺るがない気持ちをぶつける。
だけど、険しい顔つきで松野くんは私を見据えた。
「ボディーガードは来たやつらから護ればいい話だろ。ヨイヤミの方にお前が乗り込む必要はねぇ」
苦しくはないけど、松野くんが私のシャツをつかむ力が強くなる。
私もボディーガードとしてなら、そう思うよ。だけど──
比江島くんに目を向ければ、心配そうで
泣きそうな顔をしていた。
私は、ボディーガードとしてではなく──
個人的に、彼を助けたいの。



