わけありくんを護ります



──それから、私は事の始まりから、ボディーガードとして寮生活をしてきたことや、ヨイヤミのバットくんの件を話した。

私が話している最中、松野くんたちはじっと黙って聞いてくれていたけど。


「──ってわけ。バットくんと接触した後、この紙の言葉は、リスニングの授業の時に私たちが聞いたことと同じ。これで……大体の流れは話せたと思うんだけど」

長々と話したから、口が疲れた。
でも話す必要があるところは話したし。
……私のことを信じるかは、3人次第だけど──

「なんか……変に納得が行くぜ。お前がこの学校に来たのも、そんなナヨナヨ男と四六時中いるのも」

何度も頷きうすく笑う松野くんに、表情が固かった2人もつられて柔らかいものに変わった。

「ヨイヤミのことを聞いたりしたのも、そういうことだったんだね」
「ちょっと不謹慎かもだけど……りんりんかっこよいっ」

……梅木くんだけ、きゃっきゃしてるけど。