わけありくんを護ります



「よぉ、いいかい……」
「なっ、なんで復唱するんで……」

私は手で比江島くんを制して、先ほど言われた同じ言葉を4つともくり返した。
なんども、なんども。


──ヨォ

──イイカイ?アンナノ、タダノコテシラベ

──ヤミノパーカーミニツケタ、ゲストモヨブヨ

──ミンナデ、タノシミニシテルカラ


「……ミンナ、ミンナ」

「ずっと聞いてるとなんだかこわれたロボットみたい……」

「……ヨォ、イイカイ、ヤミノパーカー、ミンナデ……っ!そういうことか。わざわざこんな言い方したのは」

誰かは分かるけど、決定的な何かがあると思ってみれば──

「なんですか?」

「ヨ・イ・ヤ・ミ」
「っ!?」

ゆっくりと口にした4文字に、比江島くんは今まで見てきた中でも、一番驚き、青ざめていた。

「頭文字をつなげればわかる……今のは、ヨイヤミからってこと」

驚きつつも、比江島くんはノイズの言葉を思い出しはじめ、ぶつぶつつぶやき、

「……ほんとだ。でもどうやって」

そう。私と比江島くんをピンポイントで当ててきたこと──それが気になる。

単にセキュリティが甘いって理由だけではすまないはずだし。