わけありくんを護ります



──ノイズの声を聞き、

何一つ英文を訳すことなく、私と比江島くんは授業を終えた。
私も驚いたけど、比江島くんは終わりのチャイムが鳴るまで放心状態で。

あとは帰りのホームルームだけだからと、屋上に出た。この際サボりとかどうでもいい。

「……そっこうでヘッドフォンはずしたい気持ちでいっぱいでした……」

外に出るなり、座り込む比江島くんの隣に腰を下ろす。

「気持ちは分からないでもないよ」
「だっ誰でしょうか。雑音というか、ザワザワした声でしたし……」
「そうだね……」

誰、ということに関してはもうしぼってるけど……
私には、2つの場所だけに流したことの方が気になる。