わけありくんを護ります



ここしばらく、比江島くんにも、乙女子さんにも言われる。

『怖い顔してる』と。

笑ってごまかしたり、比江島くんにはうるさいと言ってるけど……無意識に私は眉間にシワが寄ってるらしい。

「仕方ないでしょ。比江島くんをねらう人たちが登場したんだから。私の警戒心は比江島くんの何倍も高まってるの」

「まぁ……俺が警戒したところで、意味をなさないですもんね」

次の英語の授業でパソコンを使うため、コンピューター室に移動した私たちは、一番後ろに座った。
だらだらと他のヤンキーくん達もてきとうに座っていく。

パソコンを起動させ、デスクトップ画面のまま放置。

チャイムが鳴り、先生の説明のあと、リスニングのためにヘッドフォンをつけた。

英文をひたすら訳すって……面倒だ。
そう思いながら、スタートをクリックした──