でも、ヨイヤミの子達は各々バットみたいな……武器を持ってのスタイルなのかもしれない。
──いずれにせよ、1人だったはいえ、バットくんを比江島くんのそばにいた……私が倒したってことが知られるまでに、そう時間はかからないはず。
まだ松野くんたちにはばれてないみたいだけど、こちらも同じ。
うわさが流れてくるのは、早いから。
「……凛さん」
「何?」
「もしかして、ヨイヤミのことを聞くから、俺を置いて行ったんですか?俺が……その……」
「ビビりだから。っていうのもあるけど、聞いたら余計に怖い気持ちが増すかと思ったの……悪い?」
素直な言い方が出来ない自分も自分だな、となんて。なのに、
「いえ、悪くないです。ありがとうございます。気をつかってくれて」
比江島くんは嬉しそうにしてる。
「……もう、ほら、行くよ。ずっとここで話すわけに行かないんだから」
「あ、はい!」
歩きながら改めて思う。
──本来、比江島くんみたいな人なら、普通の学生生活を送れていたはずなのに……って。



