わけありくんを護ります



「というか!俺を置いて何の話ですか?」
「この前の件……ヨイヤミのことをね」

大声で話すことではないため、廊下の端に寄り、私はボリュームを極端に下げて話した。

「……ノートには、かまいたちとは違って、ヨイヤミは主に見た目しか書いてなかったから。情報を聞くに一番ふさわしい3人がいるし、率直に聞いたの」

「でも、教えてくれたんですか?」

「一応十分って思うくらいには。人数は少なくとも、強さは……かまいたちとは比べものにならないってことが」

それに、生徒会室から出てきてしまったけど、あの時……バット──削ってある改造バットを使ってきたことが気がかりだ。

かまいたちは人数はいても、誰ひとり手には何も持ってなかったから。