わけありくんを護ります







小さめの文房具屋でお互いにシャー芯を買ったその後、乙女子さんから指定されたお店でテーブルクロスを買った。

預かったお金の予算内なら、好きな柄を選んでいいと言われ、生地選びをそれなりに楽しんだ。


「荷物、俺が持ちますね」
「あ、うん。ありがとう」

こういうところは、数少ない比江島くんの男の子らしさ。
頼もしいとは全く言えないけど。
それが比江島くんなんだよね。

「……ところで、凛さんは何も欲しい物とかないんですか?」

「欲しい物?」

「食べ物とか飲み物以外、買ってる姿見たことないなーと思って。例えば、服とかアクセサリーとか」
「服は好きだけど……アクセサリーはあまり好きじゃないの。動く時に気になったり、ひっかかったりするのが」
「ああ……なるほど。さすがですね。あっでも甘味は?」

少し前にある、たい焼き屋を言ってるのか、比江島くんは目を輝かせた。

──食べたいって顔してる。

「いつものお礼で、おごりますから一緒に食べましょ」