──エレベーターで下り、食堂に寄って乙女子さんにひとこえかけにやって来た。……だけど、座って眉間にシワを寄せていて。どうやらお怒り中みたい。
「な、なんか機嫌がよろしくないみたいですね?」
「うん……乙女子さん、どうしたんですか」
こそこそと話してても分からないし、乙女子さんのそばに歩み寄る。
「おや凛ちゃんと柚希くんか。いやね、男どもがテーブルクロスを破りやがったのさ。まぁ年季が入ってるから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど」
と、乙女子さんは破れたテーブルクロスを私たちに見せた。
「うわぁ……ビリビリですね」
「それ縫って使うんですか?それとも新しいのに変える、とか?」
尋ねると、乙女子さんは困ったように眉を下げた。
「そいつが今ストックなくて。買いに行きたいんだけど、飯の仕込みがあるしで……」
「だったら俺らで買いに行きませんか、凛さん」
「え?まぁ……」
私もそう思ったけど……外に長居はあまりしたくない気持ちもあるし。
「いいのかい?せっかくのデートの邪魔に──」
「デートじゃないので大丈夫ですっ」
あ……否定するために承諾してしまった──



