わけありくんを護ります


「……っ」

やっぱり──


「はーい見っけちゃったぁ」

「ははっあっけねー」

「でも頑張って逃げてるのは可愛かったけどな」


私の後ろから、楽しげな3人……そして、


「よお、すぐ会えて嬉しいぜ」

ニヤついた難癖ヤンキーが──

瞬時に立ち上がり、私は距離を取ろうとした。だけど……


「はい残念、行き止まりっ」


数歩走った先は壁に阻まれて、逃げ道はなく。
どうやら土地勘のない私に、逃げる作戦は不利だったみたい。

いっそ学校に行けば良かったのか……
いや、学校に行くためには4人の横を過ぎないと行けなかった。

やっぱり最善は逃げることだったも思うし……

でも、完全に追い詰められた。