そして、十分後に呼び出し音が鳴り、海さんと野木さんが到着した。
「お前ら運べ」
「は~い」
テーブルがセッティングされて、皆揃って椅子に座り、食事会がスタートしたのだ。
椅子は2つしかなかったけれど、物置らしい部屋にあったスツールが置かれていた。たびたび来る皆さんの為に用意されていたらしい。
「瑠奈、もたもたしてたらこいつらに肉食われるぞ」
「そうだよそうだよ! ほらいっぱい食べな~!」
右隣の海さんによって私のお皿には沢山お肉がよそわれてしまった。これを食べろと。そう言っているのか。まぁ、お腹は空いているけれど、食べきれるだろうか。
「ったく……瑠奈、食えないならこっちに寄こせ」
と、救世主である左隣の湊さんによってお肉が移動させられた。けど……
「ねぎは食うだろ」
と、箸でつままれたねぎは私の口の前に移動させられた。私は迷うことなくねぎをパクリと食べる。皆さんの目の前で、というところはあるけれど……躊躇すれば後が怖い。
それは、つい30分前の事。その時も同じことをされて「おいアルバイト」と言われてしまったのだ。もちろん、一瞬ためらったがちゃんと食べた。これをやったという事は、同僚さん達の前でもやるぞという事だろうと悟り、覚悟を決めておいた。
なら、ちゃんとお仕事はしますとも。
「おぉ、見せつけますな」
「何が?」
「あーんだなんてぇ~、美味しい事してくれるわね~♡」
「こいつがねぎ好きなだけだろ」
「へ~、瑠奈ちゃんねぎ好きなんだ。美味しいよね~!」
「は、はい」
予想した通りに、海さんが食いついた。たぶん、湊さんはこれを狙ったのだと思う。
まぁ、仲良しカップルを装うためにしたのだと思うけれど……内心では心臓バクバクである。ねぎは美味しいけれど、安心して食べられない。もうちょっと美味しく頂きたかったけれど仕事中なのだから我慢します。
けれど、思った。私はすき焼きの中ではねぎが一番好きだ。もちろんお肉もしらたきも好きだけれど、やっぱりねぎが好き。だけど、そんな事は一言も湊さんに言ってない。ただ言っただけだとは思うけれど……勘が当たった、という事か。凄い。
「お前ら運べ」
「は~い」
テーブルがセッティングされて、皆揃って椅子に座り、食事会がスタートしたのだ。
椅子は2つしかなかったけれど、物置らしい部屋にあったスツールが置かれていた。たびたび来る皆さんの為に用意されていたらしい。
「瑠奈、もたもたしてたらこいつらに肉食われるぞ」
「そうだよそうだよ! ほらいっぱい食べな~!」
右隣の海さんによって私のお皿には沢山お肉がよそわれてしまった。これを食べろと。そう言っているのか。まぁ、お腹は空いているけれど、食べきれるだろうか。
「ったく……瑠奈、食えないならこっちに寄こせ」
と、救世主である左隣の湊さんによってお肉が移動させられた。けど……
「ねぎは食うだろ」
と、箸でつままれたねぎは私の口の前に移動させられた。私は迷うことなくねぎをパクリと食べる。皆さんの目の前で、というところはあるけれど……躊躇すれば後が怖い。
それは、つい30分前の事。その時も同じことをされて「おいアルバイト」と言われてしまったのだ。もちろん、一瞬ためらったがちゃんと食べた。これをやったという事は、同僚さん達の前でもやるぞという事だろうと悟り、覚悟を決めておいた。
なら、ちゃんとお仕事はしますとも。
「おぉ、見せつけますな」
「何が?」
「あーんだなんてぇ~、美味しい事してくれるわね~♡」
「こいつがねぎ好きなだけだろ」
「へ~、瑠奈ちゃんねぎ好きなんだ。美味しいよね~!」
「は、はい」
予想した通りに、海さんが食いついた。たぶん、湊さんはこれを狙ったのだと思う。
まぁ、仲良しカップルを装うためにしたのだと思うけれど……内心では心臓バクバクである。ねぎは美味しいけれど、安心して食べられない。もうちょっと美味しく頂きたかったけれど仕事中なのだから我慢します。
けれど、思った。私はすき焼きの中ではねぎが一番好きだ。もちろんお肉もしらたきも好きだけれど、やっぱりねぎが好き。だけど、そんな事は一言も湊さんに言ってない。ただ言っただけだとは思うけれど……勘が当たった、という事か。凄い。



