いっその事本気で付き合っちゃえば? と言ったのか?
一体この女は何を言っているんだ、と呆れを感じた。
「エリート警察で年収もいいし、容姿も申し分ないし、お互いの事知ってるし。じゃあいいじゃん」
「いや、ないから」
周りが煩いという理由で私を雇っているだけであって、彼にとって私はアルバイトの他には何もない。私としても、彼は雇用主。短期で高収入が見込めるアルバイトなのだから、頑張って稼いでいるだけ。その他には何もない。
あ、まぁ、買っていただいたあの国産牛は契約に入っているのか分からないけれど。
ちなみに言うと、私がハンバーグを作るとなると豆腐ハンバーグになる。いつも行くスーパーは豆腐が安いし、肉の量が少なくて済むため節約になるのだ。と言っても、挽き肉が安い時しか作らないが。
それに何より腹持ちがいいのだから節約メニューに入るのは当たり前の事だ。
まぁでも、私は料理を彼にご披露する事はないだろうけどね。それに、私の質素な料理はエリート警視さんの口には物足りないだろうし。



