イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。

 そうして、ようやく飲み会は幕を閉じた。いつもならお酒を飲んだ人達はタクシーと湊さんの車で帰宅するのだが……


「瑠奈がいるから乗るな。お前らはタクシーで帰れ」


 とのことで、全員タクシーに突っ込まれた。そういえばさっき早瀬さんの前で今日泊まる事を言ってしまったからなんだと思うけれど、それなら途中で降ろせばいいのでは?

 タクシーに乗せて帰っていくのを見送りつつ、私達は車に乗り込んだ。


「あの、ちゃんと出来ました……?」

「あぁ、十分だ」


 その言葉で、ようやく肩の荷が下りた。これで何かやらかせば契約を切られてしまう可能性だってあった。そうなってしまえばいろいろと支払えなくなってしまう。そう思うと、自然と安堵のため息が出てきた。

 あとは……明日、居酒屋の方のアルバイト先のスタッフ達を何とかしないと。とりあえず、言い訳を考えよう。


「泊まるか?」

「えっ」

「言ったろ、ウチに泊まるかって」

「え、あの、嘘ですよね……?」

「ははっ、冗談だ。まぁ、もっと酔っぱらってたらあさりの味噌汁でも作ってやったがな」


 あぁ、それが噂の二日酔いに効果的な味噌汁か。効き目十分だし、気になるところではあるけれど……


「契約に入ってます?」

「……冗談だって言ってるだろ」


 ほら帰るぞ、とエンジンをかけていた。

 まぁ、気になるけれど……あれくらいしか飲んでいないから二日酔いにはならないだろうし。さっさと寝て明日のアルバイトに努めよう。

 けれど……湊さんって、あんな風に笑うんだ。ちょっと意外だった。