すべての愛を君だけに。


「なーに?彼氏と電話してたの?」


「ち、違う違う!友達!!」


「ふーん…」






そう言いつつもにやにや顔のお母さんを無視して少しヒールのある靴を履く。


お父さんが玄関を開けると1台のタクシーが目の前に停っていた。


ワクワクした気持ちを抑えながら乗り込み、食事場所へと走り出す。


この季節は日が落ちるのがまだ早い。


外は真っ暗になっていた。