side莉亜
「これで全部。弟を傷つけて謝れない。ボクは弱くて、ずるい人間だよ」
柚月くんが自虐するように吐き捨てた言葉にどうしようもなく胸が苦しくなるのを感じる。
「それは違うよ」
ちゃんと伝わるようにきっぱり言う。
「さっきの話を聞いても私は柚月くんがずるい人間だなんて思えないよ」
「なんでそんな、」
戸惑って柚月くんが言う。
「だって柚月くんはちゃんと謝ろうとしてた。確かに大好きな弟さんを傷つけたかもしれないけど、悪いことしたって自覚してる。
もし柚月くんがずるい人なら、自分は悪くないって罪から逃げてたと思うの」
なるべく落ち着いて、思ったことを言ってみる。

