"ごめんね"のただひと言も言えない弱い自分が大っ嫌いだ。
弱い自分と兄としての自分で葛藤しているうちに、車は学園へと発車した。
学園に入ってしばらく経ち、琉弥や絆那と仲良くなることができた。
その上ボクの感情を慮ってくれたのか、幸いなことに弟は輝石学園には入学してこなかった。
入学当初はなぜあのとき謝って置かなかったのだろうと何度も後悔した。
でも、それなりに充実した学園生活を送っていくなかで、弟への罪悪感が少しずつ薄れていった。
しかし、ボクが中等部にあがったタイミングで弟から頻繁に電話が掛かってくるようになった。
1度きっかけを失ってしまったボクはもう謝る覚悟なんてものは持ち合わせていない。
でも、あのときのことを謝らないといけない。
弟から電話がくるたび、ボクの心はどんどん追い詰められていった。

