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その日はボクの家で親戚中を集めたパーティーが執り行われていた。
ボクは、弟と一緒にあいさつ回りをした後休憩室へ向かおうと廊下を歩いていた。
そのとき、通りかかった部屋の中から微かに話し声が聞こえてきた。
ボクはなぜだかその内容が気になってしまって、その無駄に豪華な扉の隙間から中を覗き込んでしまった。
「まったく、柚月はダメねぇ」
「ああ、愛想もないし特に秀でたものもない。あんなのが紅玉家の当主になると思うと頭が痛くなってくる」
「それに比べて弟の方は将来有望ね。愛想も良くって世界規模のコンクールでも度々賞を取っているって」
「当主の右腕には勿体ないな。もういっそのこと弟の方を当主にしてしまえれば楽なんだがな」
そう言って大きな声を出して笑う男女。
見覚えのある姿は会場で挨拶をしてくれた親戚だ。

