世界はそれを愛と呼ぶ



「─わざわざ相馬様にお出になっていただく必要はありません。これは、四季の家の問題ですもの」

「だがな、仁知華……」

「希雨さまの件などに関しましては、御心配なさらず。少し前に連絡を飛ばしておいたので、そろそろ顔を出してくださると思いますよ」

皇仁知華─現時点で理解できているのは、あの冬の天ヶ瀬当主である男が生涯で唯一愛した女の忘れ形見の娘であり、天ヶ瀬の本来の後継者である冬の能力持ちであり、我が甥である御園総一郎の番であるということ。

底知れぬ沼のような、こちら側に全てを見せないあり方はとても総一郎にそっくりで、陽向は頭が痛くなるのを感じた。