拳を握り締めた律だったが、樹里から発せられたのは意外な言葉だった。
「このキャラクター、「あやかし戦記」のチェルシー・モールバラだよね。私もこのアニメ好きだよ!チェルシー可愛いよね!」
(こんな人でもアニメ見るんだ……)
律の心が温かくなった。それから樹里とはクラスメートに見つからないようこっそり話すことが増えた。きっと、初めて話した時にすでに恋に落ちていたのだろう。
バレンタインが近付いて、樹里のことを律はさらに意識していた。考えていることはいつも同じだ。
(樹里さん、バレンタインに誰にチョコあげるんだろう)
こんなことを考えるようになったきっかけは、女子グループが話しているのを盗み聞きしてしまったことだ。誰にチョコレートを用意するのかという話になった時、樹里ははっきりと言ったのだ。
「私、義理チョコとかあんまり好きじゃないんだよね。だから今年は男の子には一個しか作らないよ。もちろんみんなへの友チョコはちゃんと作るけどね〜」
その言葉を聞いた時、律の胸がズキズキと痛くなった。樹里には好きな人がいる。きっとこれは叶わない恋なのだろう。
「樹里ちゃん、誰に渡すつもりなの〜?」
「このキャラクター、「あやかし戦記」のチェルシー・モールバラだよね。私もこのアニメ好きだよ!チェルシー可愛いよね!」
(こんな人でもアニメ見るんだ……)
律の心が温かくなった。それから樹里とはクラスメートに見つからないようこっそり話すことが増えた。きっと、初めて話した時にすでに恋に落ちていたのだろう。
バレンタインが近付いて、樹里のことを律はさらに意識していた。考えていることはいつも同じだ。
(樹里さん、バレンタインに誰にチョコあげるんだろう)
こんなことを考えるようになったきっかけは、女子グループが話しているのを盗み聞きしてしまったことだ。誰にチョコレートを用意するのかという話になった時、樹里ははっきりと言ったのだ。
「私、義理チョコとかあんまり好きじゃないんだよね。だから今年は男の子には一個しか作らないよ。もちろんみんなへの友チョコはちゃんと作るけどね〜」
その言葉を聞いた時、律の胸がズキズキと痛くなった。樹里には好きな人がいる。きっとこれは叶わない恋なのだろう。
「樹里ちゃん、誰に渡すつもりなの〜?」


