でも俺の気持ちを確信へともっていく出来事が起こった。



それは黒金家で行われる流しそうめんパーティー?みたいなものの時。




聞こえはいいが結局はコネ作りの場。




本当は行きたくなかったけど潤君も瑠海も行くと聞いて俺も行く事にした。




黒金家に行けばなんだか杏ちゃんに会える気もしていたから。




案の定黒金家に杏ちゃんはいた。




俺の予想が的中したのだ。




受付で見た時はすごく嬉しくて心臓が飛び出るほどドキドキした。




だから杏ちゃんが一人でいる所を見てここしかないと思った。



今はちょうど詩もいないしね。




杏ちゃんがいる事が嬉しくてつい自分の弱い所を見せてしまった。




気持ち悪いやつだと言われてしまうかもしれない。




そう身構えていたが返ってきた言葉は全く別のものだった。



「気持ちを上書きし続けたらいつか自分の気持ちがわからなくなってしまうから、自分だけは自分を縛らないであげてください」




その言葉を聞いた時俺はものすごく驚いたしそれと同時に嬉しくも思った。




自分の事をちゃんと理解してくれる人がいるという事はどれほど心強い事なのだろう。と。




でもそれと同時に違和感も浮かんだ。




今の口振り、もしかしたら杏ちゃんにも何かあるのかもしれない……




頭にそう浮かんだがこれを聞くのは流石にデリカシーがないだろうと思いやめておいた。




彼女ならきっと大丈夫だろう。




なんてったって"強い"から。




それに俺が好きになった人だし–––